かつてSHARPから発売されていたNetWalkerというハードをご存知だろうか?
リアルタイムでLinux Zaurusを使っていた自分としては、ついに後継機種が出た!と色めきだった覚えがある!
しかし、お店で実際には触ってみるともっさり感がすごくて、これはちょっと……となった。
そんなNetWalkerを、ここ3年くらいで、動作品を手に入れる事が出来た!
今見ると、SHARPが発売している電子辞書とそっくりだ!(@_@)
そして……私の悪いクセだけど、手に入れてしまうと安心して使わない!!
ホントだめなんだけど、そういうマシンが何台もあるんですよね…汗
ここんところX68000エミュレータ(主にPX68K)をいろんなマシンで動かしてみてる流れで、テストできそうなマシンを探していた。あんまりパワフルじゃなくて、とは言っても非力でも無く…。最近ではなかなかそういうマシンが見当たらない(探し方がどうなのかw)
そんな流れで考えていたら「そういえばNetWalkerは?」と思い出した!(前置き長い)
NetWalkerのスペック
詳しいスペックは他のサイトに任せるとして、ここでは最低限な紹介だけしたい。
CPUはARMv7のシングルコア32bit。
動作クロック数は800MHzらしい。
メモリは512MBで標準ではスワップファイル無し。
画面サイズは1024x600ドットの16bitカラー。
2010年発売なので、当時の性能としては結構良い感じなのでは??
uname -aをした結果がコレ。
Linux griffon 2.6.28-15-araneo #50fsl1araneo19-Ubuntu PREEMPT Mon Jan 25 15:54:27 UTC 2010 armv7l GNU/Linux
Linuxのバージョンが2.6.28!
gcc -v した結果はこちら↓
gcc version 4.3.3 (Ubuntu 4.3.3-5ubuntu4)
…まぁ、この当時としてはそうだろう(^^;
最新のツールなど動かないものもあるだろうけれど、私が動かそうとしているのは、まさにこの頃のモノだったりもするので、きっとうまくいく…と信じる(^^)
実際に電源を入れて使ってみると、蓋を閉じるとサスペンドするなど(ホントは当たり前かも…だけど)、さすがメーカー標準のLinuxなだけあって安定している!
普段、他のマシン使ってても怖くてサスペンドとかしないからなー…汗
X68000エミュレータを動かす
さて、いろいろと思うところはあるけれども、手を動かしてみよう!
過去にも他の環境で動かしてみたことはあるけれども、やはりCPUパワーが弱いと散々たる結果に終わるケースが多かった。分かった上でやってるからいーんだけど!(^^)
RaspberryPi Zero WH(1GHz)でRetroArchのpx68kを動かした時は、速度も間に合わずサウンドにひどいノイズが入っていた。
シングルコア200MHzのSHARP Brain(電子辞書)でもX68000を動かしてみた事があったけど、こちらはこちらで「動くという喜び」を感じるのが精一杯だった(^^;
↑その3まであるので、ぜひ最後までご覧くださいませ!
これらから推測してみると、RapsberryPi Zeroよりも動作クロックの遅いNetWalkerでは、さらなる散々たる結果になるのかも…と予測!(^o^)
手元にある(勝手に)最適化したX68000エミュレータは、上記のSHARP Brainで動かした、RetroArch対応のpx68k_libretro改造版(説明が難しいぞ)。
これはRetroArch上で動かす対応がされていたpx68kを改造して使っていた。
具体的には、RetroArchへの依存を取り外し、X-Window対応も外した上で、フレームバッファに直描きするというモノ。
正直に言えば「動かして遊ぶモノ」ではなく「動かして見るモノ」だ(^^;;
例えデモンストレーションだけとなっても、手元でX68000が動くのは嬉しいものだ!
さて、それじゃあさっそくビルドしてみる!
やはりというか予想はしていたけれども、ビルドの途中でメモリ不足で止まってしまう問題が出た。どうしても68000コアのビルドにメモリを食ってしまうため、512MBでは足りないようだ。
ここはもうサクっとスワップを増やして再ビルドをしよう!
ファイルシステムの関係でSDカード側のスワップファイルを作った。
サウンドについて、pulseaudioがうまくインストール出来ない問題がでた。
無理やりな対応やプログラムを作り直す事も考えたが、一時しのぎになる可能性が高かったので、今回はサウンド対応を諦めるという対応にした!(^^;
px68kのフルビルドをしてみたが、12分28秒でビルドが終わってしまった…
あれ?思ったよりも速い気がする!
試しにポメラDM250(1.3GHz)でビルドしてみると9分53秒だった!
おおお、クロック通りの速度が出てるっぽい!
結構速いぞ、NetWalker!(^-^)
試しにpx68kを動かしてみた。
サウンドは鳴らないけれども、速度はそれっぽく見える……。
SHARP NetwalkerでX68000!
— PocketGriffon (@GriffonPocket) 2022年10月23日
残念ながら音は鳴らないが、割とそれっぽい速度で動いてしまった!
あれ?Netwalkerってそんなに速いんだっけ?( ̄O ̄;) 確かARMベースで800MHzくらいだったと思うけれども…。 pic.twitter.com/HFixvEplBq
表示は縦横を2倍角にして描画している。
少しだけメモリ的な負担がある処理なのに、それなりの速度で動いてしまった!(@_@)
サウンドは鳴ってないけど、サウンドデータの生成処理までは行っていて最終的な出力がないだけで、処理自体は入っている。
これは衝撃的!!
まさかこんな速度で動くとは!?(^-^)
残念ながらジョイパッドなども繋がらないためゲームで遊ぶ事は出来ないが、これはもう動いた事が嬉しいで終わらせようと思う(対応が大変そうなので!)
他にもいくつか動かしてみたよ!
まずは拙作CP/M80。
cursesライブラリが入ってなかったのでこれをapt-getでインストールした。
特に難しい入出力の対応はしていないので、キー入力も全く問題なし。
もちろん動作速度は十分なほど高速だ(といっても4MHzに合わせてあるけど)。
むしろ快適と言えるCP/M環境が出来てしまった(^^)
これは直接フレームバッファに描き込んじゃうタイプのプログラムなんだけど、もはや実機よりも速すぎて慌ただしくデモが動く!(^^)
実機よりも倍以上(もっと?)速いかも。
他にもPC-1350やPC-8801も動かしてみようかと思ったけれど、NetWalkerの無線LANが不安定で面倒になってしまった!(T-T)
おわりに
使ってみてももっさりしていたNetWalkerで、まさかこんな結果が出るとは思ってなかった!
SDカードから起動するLinuxではなくて、内臓のeMMC?SSD?から起動タイプなので、基本的な読み書きが速いのかも知れないが、consoleベースで遅いと感じる事は無かった。
Linuxのカーネルバージョンが古いことや、もはや怖くてapt-get upgradeが出来ないなどの個別な事情があるが、それでも主要なコマンドやツールは問題なく動くので、一般ユーザーが遊ぶ分には楽しめそうだ!
ちょっと非力なマシンでビルドして動かして楽しむといった、ちょっと変わった指向の時には今後もNetWalkerが活躍しそうだ!(^-^)
ではまた次回!(^-^)ノ