CASIO FP-200のメンテナンス その3

通信アダプタを作ってみる!

前回の続きで、届いた部品を利用して通信アダプタを作ってみるよ!

正直に言っちゃうと、こういったアダプタはまぐれでしか動いた事が無く、同じことを2度やれと言われても出来ない自信がある!!!(えっへん!)

HC-40の時に通信アダプタを作ったけれども、あれも仮に作ったままのカタチで運用してる。

なぜならば、綺麗に作り替えたりすると動かなくなるからだww

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今回作ったのは2つ。

先に上のコネクタを作った。

USBとシリアル信号を変換するAE-TTL-232Cという基板を使った変換ケーブル。

基板自体は秋月電子で売っているのをそのまま利用している。

FT232RQ USBシリアル変換モジュールキット: 半導体 秋月電子通商-電子部品・ネット通販

いろいろと使い勝手が良いので、いくつか在庫として手元に置いてあるのだ。

 

で、作って試してみたが、まーったく無反応…。SAVEもLOADも何も反応がない。

こうなると回路図が分からない人としては、別のアプローチをしてみるしかない。

というわけで、下のコネクタを作った。

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以前、aitendoで安売りセールをしている時に、いくつか手に入れてたアダプタw

両方あわせて100円だ!

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この結線図を元に線をストレート結線で繋げていく。

そうして出来上がった25ピンの端子を、MPRS-225Rと繋げる。

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↑これ、ものすごく便利なんですが、今はどこで手に入るんだろう…。

PC-8201など25ピンのRS-232C端子を持つマシンで大活躍だよ!

予備としてもう1つ手に入れておきたい!(^-^)

 

そして…これなら大丈夫だろう…と思ったけれども、やっぱりダメ。

なーんの反応も無い(T-T)

ちなみに上の配線でFP-200側の8番と6番は、25ピン側の4番と5番に繋がっているが、中で繋がっているように見える…。私は細かい事を考えずに4番5番と繋げただけだけども、これではダメなのかな…。

 

何よりもFP-200自体がとても不安定だ!

液晶の表示がちらちらする

増設メモリが認識されたりされなかったりする

電源を入れると頻繁に<< Memory Illegal>>が表示される

本体に衝撃を与えるだけでリセットが掛かってしまう

ACアダプタでの駆動が全く出来ない

もはや不安定というよりは「ヘン」なのだと思う。

 増設メモリはすべて外し、電源を入れたらそのまま使い続け、実験が終わるまでは電源を切れない、変な衝撃を与えないように慎重にキー入力する…等々。

使う時にも「騙し騙し使ってる」感覚がどうしても拭えない。

これはもう……やってみるしかないですね、コンデンサ交換を!!

 

コンデンサを交換してみる!

今まで、FP-200のコンデンサ交換に消極的だったのにはワケがある!

ここの読者であればなんとなく知ってると思うけど、私は分解組み立てがとっても苦手。

元の状態に戻せない事がとても多いのだ(T-T)

ネジの数や種類が多かったり、構造が複雑だったりするのを特に嫌う。

今まで分解した中で「あ、これは最後まで分解無理」と思ったのが、PC-88VAとMZ-2500。どちらも単純に基板が刺さってるだけではなく、配線がごちゃごちゃーっとしてて元に戻せる気がまーったくしなかったのだ。同様の理由でデータレコーダやFDDが苦手(T-T)

 

そして前回分解した時には特段見せなかったけど、FP-200の内部ってこんな感じなのだ。

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あかんヤツやんこれ!!!!(TT)

奥にフラットケーブルもあるし、手前の線は引きちぎってしまいそうだし(T-T)

何よりも元に戻せる気がしない(^^;;

 

怖いので詳細に写真を撮りながらネジを外していく。

でっかいメイン基板と、小さいサブの基板が3つついている。しかもその3枚がフラットケーブルで繋がっていて外す事が不可能な構造だった!

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これは上手に固定して作業を進めないと、どっかで良くない事が起こりそう!

さらに極めつけはこちら!

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ぎゃー!!

苦手だってば、こういうニョロニョロした線がある基板は!(TOT)

しかも線の下にコンデンサが抱え込まれてる…これはどーしたらいいの??(T^T)

幸い、コンデンサはウチにある在庫で賄えた。

特殊な電圧や容量のものが使われていなかったのが幸いした(^^)

このブログの最後に、最終的なコンデンサリストを載せておきます。

FP-200のコンデンサ交換する方はご参考までにどうぞ(いるのか??)

 

ROM読み取れる?

ところで…コンデンサを交換する前に、興味あるものを見つけてしまった!

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これ……FP-200のROMだよね??

型番は良く分からないけれども、最後の256ってのがビット数かしらん?

FP-200は32KBのROMを積んでるらしいので、32KB=256KBitで計算が合う。

目下の目的はROMデータを読み取りたいって事なので、こいつを外してROMライタで読んでみたらいーんじゃね、と気が付いた!!

ROMライタを使うのはPC-8201のROMを焼いた時以来だけど、確かその時もオリジナルのROMがちゃんと読めた!

同じ方法でやってみよう!

 

いそいそとROMを取り外し、ROMライタにセット。

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だけど……同じ型番のROMが見当たらない。何の互換製品なのかも分からないので、変な事は出来ない(壊しちゃいそうだし)。直接ROMを読み出すのは諦めよう(T-T)

 

コンデンサ交換はっじめっるよ〜!

…と元気に書き出したところで、交換に特段新しい事があるわけではない(^^;;

古い基板なのであらかじめ追いはんだをしたくらいで、難しい事はなかった。

あ、いや、難しかったといえばフラットケーブルで接続されている基板が動いてしまう事で、固定しておかなければ危険、固定してしまうとコンデンサが抜けない…など、混乱を極めた。

 

画面がチラチラしてしまう現状は、おそらく液晶ユニット側についているコンデンサが原因だと思われたが、こちらは取り外す事が難しいと思われた。そしたらTwitterで「脚を切ってそこに新しいコンデンサを繋げる」というワザを教えていただいた。なるほど、それならば確かに目的は果たせそう。大きく液漏れをしている感じでも無かったので、その方法を採用させて頂いた。多謝!!

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全部で22個のコンデンサを交換した。こうしてみると、色が変わっちゃってるモノがあったりして、やっぱり劣化してたのかな…。

うーん、これで不安定だった要素が1つでも減るといいなぁ…。

 

さあ、組み立てて動作確認をしてみよう!
鬼門の組み立て!覚えてるうちにやらなくちゃw

 

ちゃんと起動しなくなっちゃった!!!

組み立てヨシ、配線ヨシ、これで大丈夫だろう。きっと動く、うん、動くよ!

そんな事を考えつつ電池を入れてスイッチおーん!!

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あ…起動しない…。
電源を入れると、液晶のドットが全点灯してしまい、何も表示されない。

うわ、厄介な状態だな…。

コンデンサを交換する時にフラットケーブルを痛めてしまったのか、それともどこか切断してしまったか、コンデンサを抜く時にどこかダメージを与えたか…。

とにかく身に覚えありありだ!!

液晶側のコンデンサ交換に失敗したのかも…。でもコントラスト調整は正しく効く。キーを押しても無反応。CPUが起動していないのかな?RAMへのアクセスに失敗してる??

あー原因なんて無限にあるわこれ(T-T)

ひとつだけ正しいのは、私が壊してしまったという事実…orz

 

まずは落ち着こう。

こういう時に焦って何かを始める事がイチバン良くない。

仕事だってそうじゃないか。まずは全体を見極める事が大事なのだ。

そう思って、机の周りを片付け始めた。ハンダゴテやその他道具など、コンデンサ交換が終わるたびに綺麗に片付けるようにしている。そうしないと他の作業が出来ないからw

今回はROMライタも使ったんだった、片さないと…。

何気にROMライタを持ち上げてFP-200の上にひょいっと置く。

そこで違和感。

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………ROMが刺さったままになってる!!!!

え?そうか、取り外したまま、ROMライタに挿したままだった!

本体にROMが刺さってない状態で組み立てちゃったよ!!(TOT)

そうか、動かない原因はコレだww

 

面倒だけどまたFP-200を分解するしかない。実は書いてなかったが、ネジが2本余ってしまったのだw これがどこにあったのかを調べる必要もあるし、もう一度バラそう!

ROMはメイン基板の裏に付いてるので、もう一度完璧にバラすしか無い(T-T) 半泣きになりながら全部バラし、ROMを元通りに挿し込み、余ったネジの場所を探し出せた。

よし、これで起動するはずだ!

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沈黙再び……orz

 

原因究明フェーズ

ROMが外れていても、ROMを挿しても症状が変わらないという事は、ROMがあろうがなかろうか起動しないって事だ。やはりCPUやメモリに重大なダメージがあったと考えるのが素直だろう(T-T)

一旦作業をやめて、一晩おくことにした。この夜は涙で枕を濡らすこととなった…。

 

翌日、まずは自分が行った作業を再点検する事にした。

基本はコンデンサ交換しかしていないが、交換する際にはんだがうまく取れず、ドリルで基板に穴を開けている箇所がいくつかあった。その際にはんだクズが基板に残ってしまう事が過去に多々あった。気が付いたら綺麗にするようにしていたのだが…今回は取り切れていなかった事もありうる。

バラしたらまずはコンデンサの極性を確認、液晶ユニットのコンデンサを再取り付け、エアーダスターで基板全体を吹いてみよう。フラットケーブルの点検も必要だ。ありとあらゆる事をやってみる。

 

そしてやりきった感。これで起動しなかったら、おそらく私の手には負えない。誰かハードに強い方に助けてもらわないとダメだろうな…。

そして組み立てに入る。ふと触った基板というか半導体に違和感。なんかぐらぐらしてる。

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ん?なんか斜めになってる?? どゆこと??

小さくておじさんよーく見ないと分からないよ…。

どれどれ…ルーペで大きく拡大してみる。

……これって…ROMが挿さってない???脚が浮いてるように見える…。

 

………

 

え?そゆこと???

基板の下に手を置き、ぐいっとROMを押さえてみる。

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めっちゃ手応えあったわーww

がーん!!!

ROMが挿さってなかっただけだったかも!!!

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無事に起動した!!!(TOT)

いくらなんでも不注意すぎ!(T^T)

でも良かった!マジで壊したと思ったモン(T-T)

タダでさえ短い寿命がさらに縮んだ(^^;;

 

不具合はどうなった?

さて、コンデンサ交換後2時間ほど経つ今の状況を報告してみたい。

 

液晶の表示がちらちらと不安定

表示はとっても安定するようになった!以前のようなチラチラと波打つような事も無く、至って安定。コントラスト調整にも素直についてくる感じで、微調整も出来るようになった。これはすごい!!

 

増設メモリが認識されたりされなかったりする

電源を入れると頻繁に<< Memory Illegal>>が表示される

 増設メモリをフル実装に戻してみた。何度となく電源ON/OFFを繰り返しつつ、RESETもしているがメモリは32KBを認識している。<< Memory Illegal>>は一度も表示されていない。こちらはまだまだ安定したとは言い切る自信が無いので、今後長い時間を掛けて見ていく。

 

本体に衝撃を与えるだけでリセットが掛かってしまう

以前のような繊細な状態ではなく、電源をONにしたまま持ち歩いても平気になった。これはコンデンサが原因だったのか、リセットボタンが外れて過敏になっていたのかは分からない。現状では「安定した」と言えるかも知れない。

 

ACアダプタでの駆動が全く出来ない

問題なく駆動出来るようになった!これもすごい!

 

え?全部直った?コンデンサの交換だけですごくない?! 

電源が入る/入らないだけではなくて、こんな不具合まで引き起こす事があるんですね、コンデンサって…。

 

さて、次回は通信アダプタに再挑戦してみます!

ではまた次回!(^-^)ノ

 

FP-200 コンデンサリスト

電源    
電圧 容量
16 470 2
16 220 1
10 22 1
25 47 2
16 33 1
     
メイン基板    
電圧 容量
50 1 1
16 100 1
16 22 1
25 10 1
10 100 1
     
液晶基板    
電圧 容量
16 10 1
50 10 1
     
メイン基板裏側  
電圧 容量
16 10 2
25 10 3
10 33 2