謎の謎パーに挑む!

謎だらけの謎パー!PD-7000!

謎パー…それは最後のフロンティア!

今まで数ある謎パーを触ってきた私だけど、今回のは最大級の謎パーかも。

見た瞬間から震え上がる「なんじゃこりゃ!」を止める事が出来ず、ついに手にした最大の謎マシン!CASIO PD-7000!

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横幅は20cmと、A5サイズよりもほんのちょっと小さいくらい。

比較対象にオアシスポケットと並べてみた。

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オアシスポケットに比べると、一回り小さいという表現がぴったりかも。

 

ちなみにサイズはこの程度だけどキーボードは相当違う。

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テキストを入力する事に重きを置いたオアシスと、おそらくそうではないモノを目指したPD-7000の違いは明白。このサイズなのに大きめなテンキーが付いてる(しかも000があるのがCASIOらしい!)のは、間違いなく日本語入力を重視してるわけじゃない事がうかがえる。

 

 同じくらいのサイズをマシンを探してみると、どうやらATARIのPortfolioと同サイズだった。

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さっそく使ってみたいんだけど…

さっきからもったいぶった感じで画面を含めた写真を載せないのにはワケがある!

長年使ってないマシンには持病というか発症というか、なぜかこうなっちゃう事が多いですよね…って事で、じゃん!

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そう、ビネガーシンドロームを発症しちゃってる。

しかもご覧の通り、このマシンはかなりの重症。

液晶画面のほぼ全体が黒くなってしまい、こうなると全く文字が読めない。

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しかも液晶内部にキズみたいなものがあり、もしも液晶本体にダメージを追っていたら、偏光板どころの話ではなくなってしまう。

こういった液晶内部のキズっぽいものは、画面全体で5カ所あった。

外部から大きな力でも加わったんだろうか??

 

こんな状態で電源は入るんだろうか??

半信半疑…というよりは、入らないよな…というハナから諦めの気持ちで電源ON。

「ピ!」

え?音が鳴った!

一瞬画面がフラッシュしたような感じになり、液晶がついてるっぽい…。

よーく目を凝らして画面を見てみると…

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なんとなく「かな」って見えません??

MS-DOSの起動画面なんだろうか??

良く分からん!

でも起動してるらしいって事は分かった!

一度も触ったことがないマシンだけど、修理してみるぞ!

 

偏光板を交換してみる!

この手のモバイルマシン、やったことがある人は分かってくれると思うのですが、モーレツに分解しづらい!小さくなればなるほどパズルのような構造になってて、バラす事の難易度が飛躍的に上がっていく。

隠しネジから嵌め殺しの構造まで、とにかくプラスチックを割りたくないので慎重には慎重を重ねて探っていく。

 

PD-7000はゴム足に隠れた隠しネジが2つ、ヒンジ部分に隠されたネジが1つ、そして、シールを剥がさないと見つけられなかったネジが2つと「分解とかするんじゃ無いぞ?」的な意図がひしひしと伝わってくる構造だった!

そして開始から15分くらい格闘して、よーやく液晶裏側を開くことが出来た。

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…複雑だなーいやだなー、ちょっと引っかけただけで壊してしまいそう…。

出来る限り分解しなくても良い部分はそのまま残し、最低限を外して液晶パネルを取りたい。そんな攻防がずっと続く…。

そしてようやく液晶部分が取り外せた。

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一度も触ったことがない、どんな起動をするのかすら知らないマシンをバラバラにするのって勇気が要ります(T-T) 元に戻せない感じがバリバリにする!記憶があるウチに組み立てなくちゃ!

 

ちなみに液晶のキズだと思っていたモノは、傷ではありませんでした!

液晶とプラスチック面の間に、何かの破片?が入り込んでいたのだった。

数カ所あった数らしき物体はすべてそうだった。

とりあえず傷じゃ無くて本当に良かった(^^;;

 

ついに偏光板の交換を始める。

最初はカッターで境界部分を探りながら、少しずつ刃先を入れていく。

この瞬間がいつもドキドキする!!

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もうここまで来たら後戻りは出来ない!前に進むのみ!

この写真から、もう少しだけ剥がした頃になったら、あとは手でバリバリと剥がしてしまえば良い。その際、液晶に強い力が掛かると怖いので、あくまでも慎重に剥がしていく事!

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そしたら… 接着剤がほぼ全部残ってしまった。

まぁこれも想定の範囲内

ここから接着剤を剥がしていく。

 

私が愛用しているのは「3M のり取りクリーナー」。

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 偏光板を剥がすとすっぱい匂いが充満してしまうのだけど、このスプレーを使うと柑橘系の香りに中和してくれる役目も果たしてくれる。もうこれで何十枚もの糊を剥がしているので、勝手に同士のような感覚にまでなっている!

特にこれで困ったことは無いです。とても良く糊が取れます(^^)

 

それから今回の初参戦のカーボンスクレーパー!

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今まで使っているスクレーパーも使いやすくて良いのですが、刃先がどんどん摩耗してしまうのが難点でした。100円ショップで手に入れたものに多くを求めるなと言われてしまえばその通りなのですが、使うたびに状況が変わるのは使う側としても難しさが上がってしまう。

刃先の強いスクレーパーを探していたんですが、先日ホームセンターでコレを見つけて手に入れてました。ようやく使える時が来た!

 

で…剥がすのに必死になってしまい、肝心の写真を撮り忘れてしまった!

綺麗に剥がれたのがこちらw

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さっきの糊がウソのように綺麗に取れる!

カーボンのスクレーパーはホントに使いやすかった!刃先が頑丈かつ液晶に傷を付けないという、期待した通りの仕事をしてくれました!

 

液晶の周りについてるマスキングテープですが、液晶の周りに電子部品(おそらくLCDをコントロールするIC群)がついているのを保護するために貼り付けた。

過去に似たような液晶(液晶の周りにコントローラ)を修理する際、力を入れてしまって「パキっ」と破滅の音が鳴ってしまい、そのまま動かなくなった苦い経験から、こんな感じにマスキングするようになった。とても意識出来るのでオススメです!

 

偏光板を貼り付ける前に…

ついに偏光板を貼り付ける段階になってから、大変な事に気が付いた!

偏光板を貼り付ける方向が分からない!

これは大失敗!

そんなこと、分解する前にやらなくちゃ!…と言っても今となっては仕方ない。

これは困ったぞ…起動するまで簡易的に組み立てるか…いやそれもリスクが高い…。

なんて事を思いつつ、何気に偏光板を当ててみる…。

………うん、なんとなく分かったw

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おそらくだけど…緑に見える方が正解、青い角度は不正解。

あれ?偏光板ってこんなやり方でも角度が分かるの???

以前、PC-E650の修理をしている時に、90°間違って切り出してしまった時が、こんな感じに青く見えていた(その後、その偏光板はZ-1GRの修理で活用出来た)。

よし!この緑に見える角度で切り出してみよう!

 

組み立て、動作確認

 分解の逆手順で組み立てをしていく。

分解であれだけ苦労したのに、組み立ては「こうだったっけ?」と思ってはめていくだけでパチパチはまっていく。そういうもんですかね…ええ(T-T)

 

そして組み立ても終わらないうちに、最初の起動テスト。

液晶に強いダメージがなければ起動はするはずだよな…。

電池を入れ、ドキドキしながら電源ボタンをオン!

ピッと音がした!

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不気味なほど手が映り込んでしまった!!!

でも液晶を見ると、なんとなく文字が映ってる!!

おおおお!映った!

予想した偏光板の角度は間違ってなかったw

 

気を良くして組み立てを進めていく。

完成!

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うん!きれいだぞ!

液晶にまだらが残っちゃうのは仕方ないとして、とりあえず綺麗になった!

そして電源ON!

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よっしゃーー!映った!直った!

 

 

使ってみようと思ったら…

ついに使えるようになったPD-7000。

ようやくここからがスタートですよ(T-T)

長かった…。

 

…と思いつつ、よーく画面を見てみると…

…なんとなく詰んだ気がしません???

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なんてこったい!

どうやら使い始めるためには、他の媒体またはマシンから設定をインストールしなければならないらしい。

同じ機種 → ない!

パソコン → ソフトが無い!

フロッピー → 繋がるモノを持ってない!

ICカード → ない!

 

ICカードはPCMCIAだと思い込んでいたけれども、全くの別規格だった。

どうやらTYPE-Iよりも遥かに薄いカードが必要らしい。

RS-232Cのコネクタはついているものの、これまた見たことが無い規格。

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自分で作るとかそういう事が出来なさそう。

出来たとしてもソフトが無ければどうにもならない…。

 

というわけで…

手に入れて動くようになったけれども、ここまでという結果になりました。

起動する時に「MS-DOS 3.3」という表示が見えるので、間違いなくMS-DOSマシンのようです。メモリカウントは1024KB。

うーん自由に使えないのは残念です。

 

どなたか「同型機で動くの持ってるよ」とか「ソフト知ってるよ!」とか情報ありましたら、ぜひ教えてください!

 

でも非常に珍しいマシンだと思いますし、動体保存しておこうと思います!

やっぱり謎パーは楽しいぜ!(^-^)/

 

後日談

RS-232Cのコネクタですが、まさかのオアシスポケットと同じでした!

なのでそのままケーブルが流用出来るっていう奇跡!

…繋がったところでどうする事も出来ないのではありますが…orz

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