起動しないFX-890Pを修理してみる! その1

ポケコン…それは最後のフロンティア!

CASIOが1992年に発売した8088を搭載した16ビットポケコン、FX-890P。
手に入れて以来、ずっと放置したままになってました。
電源が入らなくて液晶が変になってるポケコンを修理してみるよ!

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今回の記事は過去の写真とかを流用しているため、写真によっては機種が違ったりします。映ってるメモリが違ってたり分かりづらくなっていますが、雰囲気写真?って事でお願いします!(ひどぃ)
最初と最後だけは同じマシンです。
よろしくお願いします(^^;

 

どんな症状??

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今の状態はこんな感じ。
・乾電池を入れて電源を入れても完全に無反応
・液晶がビネガーシンドロームを起こしている

 

外見の見た目は結構キレイ。
電池ボックスの中を見ても、電池漏れは見られない。

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…コレ、なんで動かないんだろ??(^-^;;
 

 分解してみる

この機種を分解するためには、はんだごてが必要です。
あらかじめ用意しておきましょう。

 

まずは本体をひっくり返して、マイナスネジを回して裏ぶたを外します。
…この機種を分解するたびに毎回思うんですが……

このネジの多さはなんでしょうね(T-T)

長めのネジが15本もあります!

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ネジの場所に○付けようと思ったけど、多すぎてくじけました(^^;

しかも!ネジの多さも気になるけれども、それよりも

や!た!ら!堅いんですよ、このネジ。
液晶の裏側辺りのネジはホントに堅くて、指が真っ赤になってしまう事も何度か。
すべり剤を活用したりもするんですが、それでも外れにくい時がある。

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だいぶ苦労していましたけれど、最近になって良い方法を覚えまして!

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こんな感じでラジオペンチを使うと、すごく簡単に外れます!
この時、ネジをなめてしまわないように、上からぎゅーっと抑えていてくださいね!
これで楽勝で開けられます(^^)

 

あと、すごく分かりづらいのですが、ここにスプリングが入っています。
裏ぶたを取るとこのスプリングも外れるのですが、とってもとっても無くしやすいので注意しましょう!
私は何度も無くしてる!(ToT) 気が付いたら無くなってる!

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裏ぶたの裏側にはスピーカーがあり、それと本体基板が繋がっているため、勢いよく開けると線が千切れてしまいます。ゆ〜っくりと開くようにしてください。

その後、はんだを溶かして外しましょう。

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基板は裏返しについてます。

この基板にはんだ付けされている配線を外す必要があります。

電源ラインが2つずつ(4本)ありますので(赤)はんだを溶かして外します。
あと青丸はキーボードから繋がってくるグラウンド? こちらも溶かして外します。
切れやすいのでムリに引っ張ったらダメです。

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あとはネジが2本ついてますので、 こちらも外しましょう。

これでようやく基板が外れます。

コンデンサ交換

とりあえずコンデンサの交換します。
基板をひっくり返すと、3つのコンデンサがあります。

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2つ(16V10μF)が表面に張り付いてて、大きな1つ(10V220μF)が基板を貫通してます。

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これは…この足は…あからさまにコンデンサがダメな感じがする!
おそらく起動しない原因はコレでしょう。
電池の液漏れも無かったし、他に原因が思いつかないほどキレイだったもん。
特に難しい事は無いので、さくっと交換します。

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さて組み立てて動作確認をしましょう……と思ったんですが…

きっと…これで電源入るようになりますよね…。

電源入るんだったら、ちょっとやりたい事があるな!

 

メモリ増設しちゃう?!

……このFX-890Pはメモリが64KBあります。
チップを見てみると、M5M5256BFP-12LLという刻印があります。
256Kビット=32KBが2つで64KB。なるほど。

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これ……良く見るとチップの外側にもはんだ付け出来そうなパターンがあります。
ここに1MビットのRAMに貼り付けてやると、256KBまで増設が出来るのは有名!

じゃあ…ってことで、SRAMを取り付けてみます。

 

まずは…元から付いてるメモリを取り外します。
この手のチップをはんだごてで取り外す方法もあるようですが、

私にはウデが無いので、ここは大人らしく道具で解決!
こんな時に便利なのがヒートガン!

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これがなかったら、この手のチップを取り外そうなんて思いません(^^;

 

出来る限りメモリ以外を保護したいので、周りにマスキングテープを貼り付けます。
…これってどのくらい効果あるんだろ???(^^;

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ヒートガンで暖めて、メモリを取り外します。
ヒートガンさえあればコツとかそういうの全く無く、するっと外せるのがすごいところ。

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外したパターンをキレイにします。

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取り付ける予定の1Mビットの新しいRAMを用意します。 

秋月電子から「M68AF127B」というチップを取り寄せました。

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5個セットで400円。1個80円。

2つのメモリで256KBに増設出来るって事は、160円!!

昔、256KBのメモリ増設なんて、何ヶ月か迷って悩んでようやく増設出来るくらいの金額が掛かったというのに…ぶつぶつ…

 

取り付ける方向を気にしつつ、新しいチップを取り付けます。
これみたいな足の幅が狭いチップを取り付ける時は、私はフラックスをべったべたに塗って、はんだを滑らすような感じで取り付けるようにしてます。

ここは動画で出したいところですが、素人すぎるのでご想像ください(^^;;

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…ん?なんか…足に違和感が???

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がーん…足が繋がってしまってる(T-T)

ちゃちゃっと修正しましょうね。

 

起動確認! 

よし、これで組み立てて動作確認してみます!

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じゃん!

ちゃんと起動してくれた〜!
増設したメモリも認識してくれた〜!

 

……こうなってくると画面が気になりますね…。

次回は画面の偏光板交換をしてみます!
お楽しみに!