シャープポケコン PC-G850Vの液晶修理

久しぶりにPC-G850Vを使おうとしたら…

ポケコン…それは最後のフロンティア!

…って、なんでもかんでもフロンティアになってしまいますが、モバイル系大好きな私としては、ポケコンも大好物です!

ポケコンは乾電池の液漏れが怖いので、使わない時は電池を抜いた状態で保管してあります。たまには使ってみなくちゃ…と思い、久しぶりに電池を入れて電源オンしてみたら……

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なんじゃこりゃああああ!!!
液晶に思いっきりラインが入っちゃってる!

これは……さすがにひどい(T-T)

 

 

…なんて感じでハデに驚いてみましたが、実はこの症状、比較的簡単に修理が可能です。

今まで30台近く直してきていますので、今回はその方法を書こうと思います!

 

この現象、なぜかSHARPのPC-G850Vで起きやすいようなのです。同シリーズのPC-G850SやPC-G850VSではあんまり起きてない。何か製造的な問題でしょうか…。

  

なぜライン抜けが起きるの?

詳しい事情をちゃんと把握しているワケではありませんが、一言で言えば基板と液晶を繋げているフラットケーブル(という名称?要は2つを繋げてる線!)の接着が悪くなり、電気が通らなくなる事で起きているっぽいです。

なので、なんらかの方法で再接着させてやれば、元に戻る…という事みたいです。

 

論より証拠!

まずはやってみましょう!

ちなみに今回はPC-G850Vでやっていますが、同じシリーズ(PC-G850、PC-G850S、PC-G850VS)で有効だと思います。手元にライン抜けしてる本体をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

道具のご紹介

私がいつも分解している時に使っている道具のご紹介!

まず手放せないのが、これ!

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EIGERのこじ開けツール!

何を開けるにもこれを活用しています。なぜ未開封のものを持っているかと言えば、これに依存しすぎていて、もしも壊れてしまったらすぐに困ると思ってたのです!壊れてしまった時の恐怖感! …なので、予備でもう1つ持っている…という事です(^^;

 

あとは精密ドライバー、ピンセット、アルミホイルにはんだごて…と、どのご家庭にもありそうなモノを使っています。人によっては手元を明るくするライトとか拡大鏡があると良いかと思います!

 

まずは分解するよ!

この修理でイチバンの難関は、PC-G850Vを分解する事かも知れない。

とにかく堅いんですよ、本体が。

順を追って説明していきます。

 

まずは本体についてる部品を外していきましょう。本体カバー、両脇にあるコネクタをカバーしている部品、そして裏面の電池ボックスのフタ。

本体カバーを上手につかって、部品を無くさないように気をつけましょう(^^)

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 本体をひっくり返して、プラスドライバーで写真の赤丸にあるネジを外していきます。

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 ネジを全部外しても、全くびくともしない本体です…。

ここから本体を開けるのがちょっとだけ大変。

本体の下側(液晶とは反対側)から開けていきます。

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 こっち側からこじ開けツールで、出来る限りプラスチックを傷付けないように、大胆にぐいっと入れていきます。

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 爪が3カ所ありますので、その3カ所を外しましょう。結構力要ります!

3つとも外れたら、今度はその状態をキープしながら、反対側も同じようにこじ開けます。

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 こじ開ける時に「うわ!こんなに本体のプラスチックが曲がっちゃって、割れたりしないの?」とか心配になるかと思いますが、滅多な事では割れません!ぐいっと行っちゃってください!

そして、取れ掛かってきた裏ぶたを、さらに力をいれて曲げながら、電池ボックス側の側面にこじ開けツールを入れてやると、割と簡単にバキっと音を立てて爪が外れます。コツは、思いっきり裏ぶたを湾曲させることです。そうしないとなかなか外れません。

ここが多分、最初の難関。

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この状態で、液晶側の爪だけが外れていない状態になっていると思います。ここでヘンに力を入れると爪を割ってしまいます。写真の矢印方向に裏ぶたをスライドさせるような感じで力を入れつつ、液晶側の側面をこじ開けツールでこじってやると、ガチョンと外れます。ここも難関のひとつ。

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ここまで来ればあとは簡単! 

最後に、電池ボックスの端子が基板にくっついていますので、これを基板側に押してやるとスムースに外れます。決してムリしたらダメです!端子が曲がってしまうと、組み立てる時に厄介になっちゃいます。

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 これで綺麗に2枚におろすことが出来ました!

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液晶と基板を繋げてるケーブルをぐりぐりするよ!

さて、ここまでやるだけでも結構疲れたと思います。PC-G850Vを開けるのは体力要ります(^^; 最初のウチは指が痛くなっちゃうと思いますので、休憩入れながらやりましょう。

 

さて、今回修理の対象となるのはこちら!

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この色が変わってる部分が基板と液晶を繋げてるケーブルですが、こいつが取れ掛かってる可能性があります!

イメージ的には「この部分に熱を加えて、ついてるはんだを一度溶かしてもう一度接着する」感じです。

そして、その再接着には「はんだごて」を使います。

でも直接はんだをあててしまうと溶けてしまう可能性があるため、私はアルミホイルを活用しています。

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アルミホイルを何重にか折り曲げて、薄い部分と厚い部分を作っています。この時、間違っても素手でアルミホイルを持たない事!めっちゃ熱くなります!経験者は語ります!それ以来、私はピンセットを使うようにしています。

 

このアルミホイルをどうやって使うのかと言うと…だいたいイメージ的にはこんな感じ。

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はんだごてを動かしつつ、アルミホイルも一緒に上下させていきます。決してはんだごてを止めてはダメです!最悪ケーブルが溶けます!一定の速度で上に下に動かして、かつ大胆にはんだを溶かしつつ再接着…を意識しながら動かしていきます。

上から下からを何度か繰り返して、その時間だいたい30秒くらいでしょうか。

とにかくはんだごての動きを止めない(=溶かさない)ことだけは注意してます。

はんだごての温度は370℃くらいにしてますが、あんまり温度を意識したことはありません。ちなみに今までケーブルを溶かした事は1度もありません。案外溶けないもんです(^^;

 

さて、うまく再接着出来たかどうかみてみましょう。

以前は動作テストをする度に組み立てていましたが、さすがにそれだと面倒だったので、今はこんな感じでテストしてます。

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電池ボックスに電池を入れ、それぞれのプラスマイナスの端子を繋げてます。電池ボックスがついてる代わりを作ってるだけです。

薄っぺらい端子にプラス(赤)、バネの方にマイナス(黒)です。

これは絶対に間違えてはダメです。この機種は、電池の極性を間違って繋げると、一発で起動しなくなります!!

 

もしも間違って繋げて動かなくなってしまった場合、この部品が壊れてる…というよりは安全機構が働いてる可能性が高いです。

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この「F1」「20」と書かれた部品、どうやらこれはヒューズらしいです。両端子をテスターであててみて、通電があれば正常、無ければ飛んでます。

同じ型のヒューズを取り付けるか、危ないのでオススメはしませんがジャンパー線で直結してしまえば動くようになるはずです(重ねて言いますがオススメしません)。

 

さて、今回の修理はどうでしょう?

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うん、ばっちり直ってますね。

 

あとは元通りに組み立てて終了!

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PC-G850Vでも遊んでいくよ!

せっかく直したPC-G850Vですので、この先プログラム組んで遊んでみようと思います!

乞うご期待(^-^)ノ